「このカメラ、もう使わないのでもらって下さい。お宅のギャラリーに置いてくれたらうれしいです。」と、
使い古されているけどよく手入れされた「アサペン」と「セコニック」を置いて行ってくれました。きっと娘さんが結婚した時も、お孫さんが生まれた時も、このカメラで記念写真を撮ったんだろうなぁ。このカメラはおじいちゃんの手に抱かれ、家族の歴史をずっと見つめ続けてきたんだろうなぁ。
「はい、喜んでお預かりいたします。ずっとここに飾っておきますので、いつでもまた会いにいらして下さいね。」
こうしてまた一台「時を旅するカメラ」が写楽館のギャラリーに加わった。
閃光中年